2013年11月17日日曜日

ミシャグチとソソウ神-7


 『武蔵一宮:氷川神社』

 Wikipedia:氷川神社

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 武蔵一宮:氷川神社・境内案内

  出典:「諏訪信仰の発生と展開」137頁
     古部族研究会・永井出版企画
     「穴巣始と外来霊」

 『竪穴斎屋の原始性霊』

 ミシャグチとソソウ神-7

  この蛇体は三月卯日に至る三ヶ月近く巣喰っている。

 「或ル人之云ク、十二月ノ祭ノ従日、次年ノ三月ノ祝之日時迄籠蛇形也」

 とは、『神道縁起』の表現であり、

 この本では、御室の事を巳室(みむろ)すなわち蛇の家であるとまでいっている。

 読込みすぎであろうが、

 蛇体が翌年春まで壙内に巣喰っている様が浮かんでくるではないか。

 二十三日夜に導入された小蛇三体と、二十五日夜に導入される大蛇三体は

 一連の表現で小蛇の急速な成長を表現したものであろう。

 『常陸風土記』の那賀郡茨城の里の説話に、

 ぬかびめのもとに何者かがきて求婚し、夜来ては昼帰り、

 夫婦になって一夜のうちに懐妊し、ついに小さな蛇を生む。

 浄めた杯(つき)に入れて祭壇をこしらえて安置すると、

 一晩のうちに早くも杯一ぱいに満ち、さらに瓫(ひらか)に入れて置くと、

 また一ぱいに満ちた。

 というぐあいに急成長する小さな子の神の急成長の表現を、

 ここ諏訪では小蛇三体が二晩のうちに五丈五尺の大蛇になることを

 儀式的に表現したものであろう。

 神霊であることをの証拠である。

  ここで御左口神とソソウ神の性格を明らかにしておこう。

 御左口神は樹や石におりてくる外来魂である。

 それを昇げたり、降ろしたりすることを

 御左口神アゲ、御左口神オロシと呼んでいる(「神長実廷手扣」)。

 これは神長守矢氏の専業である。

 また、二十の御左口神として、

 神使六人と神主十四人の事をいっているから、

 人間にも憑けることの出来るものである。

 その憑ける作法は、『諸神勧請段』に

 「絲ガ百ムスフ、モモムスフ、ヤエニホコレテゲギョウメサレル」

 と言っている。

 又『御符禮之古書』は

 「神使六根の心を表す六所の結目を置く結麻を縣け、咒印を結ばしむる」

 と言っている。

 これは修験道の影響下にある表現であるが、

 上空から降ろした御左口神を、麻糸で結んでその結目に封じ込め、

 体に憑けるのである。

 それを解き放つとき、御左口神アゲである。

 このスプリットは上空より垂直的に降りてくる。

 そして恐怖すべきスプリットである。

 『画詞』は言う。

 「若し触ある時は、此神必祟(たたり)をなす、鷹犬に至るまで其罰を被る」と。

  一方のソソウ神であるが、

 十二月の所末戸社の神事の申立(祝詞)と、

 翌二十三日夜の小蛇三体に対する申立と二十五日大蛇三体に対する申立と、

 二十五日の二十番の舞曲のうち第三の外県の惣領申、

 それにまた春の三月末日の所末戸社の神事の申立と、

 何度も繰返し、ソソウ神の出現のさまが申立てられているが、

 その言葉の中にソソウ神の出現する場所として、

 「みちのくち」「みちのなか」「みちのしり」と出てくる。

 「みちのくち」は真志野、「みちのしり」は有賀と二十三日の申立には出るが、
 
 よりくわしく外県の惣領申の舞曲では、

 道の口の真志野は「のやきの原」、

 道の尻の有賀は「こしき原」と御狩場所を言っている。

 みちのなかは不明である。

 以上によって宮地直一氏は言う。

 「さうすると、神原を本位として、此処に入る西北よりの街道沿ひに

  道の口、中、後の三所を区別し、就中より近い真志野を以て口に

  やや遠い有賀、即ち四至の限りを以て後に当てたのは、

  略ぼ明瞭であらねばならぬ。……仍つて按ずるに、

  此神は西北の方湖口の辺より来って、

  或は近く或は遠く沿道の所々に現はれ、

  神原に饗を受くるを年々の習ひとせられ来つたのである。」と

 《Key Word》

 所末戸社

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