2013年11月12日火曜日

ミシャグチとソソウ神-2


 『武蔵一宮:氷川神社』

 Wikipedia:氷川神社

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 武蔵一宮:氷川神社・境内案内

  出典:「諏訪信仰の発生と展開」130頁~141頁
     古部族研究会・永井出版企画
     「穴巣始と外来霊」

 『竪穴斎屋の原始性霊』

 ミシャグチとソソウ神-2

  この神事用の竪穴斎屋は、古代においては各地にあったようである。

 オオアナムチが、さまざまな厳しい試練を受けた後に、

 スサノオに入れられる「八田間(やたま)の大室(おおむろや)」は、

 かなり広いことを形容している。

 また

 「忍坂(おさか)の大室(おおむろや)に 人多(ひとさわ)に

  来入り居り 人多に 入り居りとも」という歌は、

 弟エカシが、宇陀高原の忍坂の大室で、

 ツチグモノヤソタケルに饗をした時にうたったものだ。

 また、冬の十一月に

 「片岡の大室の中に有して、独大牀に臥しまして」いた

 タギシミミ命が、ジンムの子らに殺されている。

 この大室、大室屋、大室とすべて大の字がついている。

 これは単に空間的に大きい土室という意味だけでなくて、

 聖なる土室という意味で大がつけられたのであろう。

 一つはオオアナムチの成人戒用の土室であり、

 一つは大饗宴の行われた土室であり、

 一つは、王が大床に臥していた土室で、

 ふだんのの日常住居としての竪穴とは異なる斎屋である。

 『記紀』の神話は、

 諏訪神社前宮神原の御室(みむろ)を理解するのに役立つ、

 と同時に逆に神原御室の竪穴内で行われる神事劇は、

 既に他地域では神話化されて、

 全て消え去ってしまっている古代の実体的な神事劇を、
 
 中世に至るまで秘儀として唯一持続していたことを物語っている。

  この大室の竪穴式斎屋内に一つの重要な神事施設が組まれている。

 「萩組の座」(『画詞』)である。

 伊藤富雄氏は言う。

 「はきくみは萩組である。

  絵詞に『萩組の座』とあるから、御室中の一の座席である。

  組は構造の意であると思われる。

  十二月身廿二日の條御左口神の祠を作ることを、

  『みさくしくみ申あしは御室奉行役にて出』と記して居る

  その『組』の義である。

  御室は土室であるからその中に萩を以って組みたる座席を設備し

  之を大祝の座に充てたるものであろう」(「諏訪上社中世之御頭」)と。

 しかし『旧記』の<みむろ作申郷々役の事>では、御室の用材を記した、

 そのすぐ後に続けて

 「一、はきくみの東の角・上原、上桑原、

  一、南の角は真志野、栗林、

  一、むなき・ましの、上原、上桑原、

  一、けた・にし・真志野、くりはやし両條、ひかし、かみくははら」と

 表記してあるので、棟木をとおし、東西に桁があり、

 東と南の角に柱をもち、おそらく西と北の角は御室にもたせかけた、

 御室内の建築構造物であり、

 萩を以って組まれた大祝の座席以上の建築構造物と理解される。

 宮地直一氏は、

 萩組の座を、御室の外の入口近くに設けたように理解しているが、

 私は神事の運び方やその内容から考え、

 又、角が東と南だけがしかない点で、

 御室内部中央の北の桁に接して、

 棟木を真直角にわたし、西の桁、東の桁をもうけたものと理解する。

 家屋内家屋という点では、

 前号で北村皆雄氏が「生島足島神社」の分析を行った中で、

 神の性格は大和朝廷系列の国土生成神であるが、

 祭祀は古諏訪祭式によっている点を明らかにした。

 竪穴の土室そのものを神体とし、

 覆屋の中にまた一つ斎屋があって神座としている点、

 御こもり神事では、

 冬期の長期間に諏訪神がこの御室の中に入って

 春になるとなって出てくる点で、

 諏訪神を御笹の御左口神におきかえれば、

 前宮から御室に入り、

 また春になって前宮に入られる諏訪神社の御室神事における

 御左口神と酷似している。

 おそらく「生島足島神社」は、祭祀場の御室が固定化され、

 遂に竪穴の土室そのものが神体化されたものであろう。

 小坂円忠氏にならい

 「冬は穴にすみける神代の昔は誠にかくこそありけめ」と言いたくなる。

 その中にある斎屋は、

 御室の中にあったであろう荻組の座を理解する授けとなる。

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